2022年8月9日(火)~11日(木) 【神奈川県 川崎港・真鶴町】
海と日本プロジェクトinかながわ実行委員会は、日本有数の国際貿易港である川崎港と、県内唯一の魚つき保安林である「お林」を有する真鶴町を見学し、神奈川県内の海の多様性を体感する「貿易港と自然豊かな海から学ぶ神奈川の海の多様性~「かながわ海新聞」の記者として取材を通して学ぼう~」を2022年8月9日(火)~11日(木)の日程で開催しました。このイベントは、次世代へ海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる”日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。
- イベント概要
・開催概要:貿易港と自然豊かな海から学ぶ神奈川の海の多様性~「かながわ海新聞」の記者として取材を通して学ぼう~
・日程:8/9(火)~11(木)
・開催場所:神奈川県 川崎港、真鶴町
・参加人数:17名(小学5・6年生)
・協力団体:川崎市港湾局、東洋埠頭株式会社、NPO法人ディスカバーブルー、真鶴町観光協会、神奈川新聞社
- 川崎港を探検!海上から見えたものは…!?
神奈川県の東端である川崎港の埋め立て地・東扇島にある川崎マリエンから三日間のイベントがスタート!かながわ海新聞の入社式のあと、まずは「巡視船あおぞら」に乗船して、川崎港の探検に出発!コンテナターミナル、冷凍食品倉庫、発電所など、貿易でみんなの暮らしを支える港を海上から見学しました。中でも、川崎港に接岸している世界初のEVタンカー「あさひ」に子ども達は興味津々でした。
続いて、川崎市港湾局の末繁さんに川崎港の成り立ちについて学びます。川崎港では昔、海苔づくりなど漁業が行われていましたが、大正時代から始まった埋め立てによって、国際貿易港へ発展することになりました!その埋め立てを最初に行ったのが浅野総一郎です。日本の貿易の発展のために大型船が着岸できるよう東京湾を改造したことに、子ども達は驚いていたようです。今後も川崎港の埋め立ては続くそうで、国際貿易港としての挑戦は続いていきます。
- 極秘潜入!川崎港の貿易を支えるコンテナターミナル
続いて、今回このイベントのために特別に許可を頂き、普段はなかなか入ることのできない川崎港の貿易を支えるコンテナターミナルを、東洋埠頭株式会社のご協力で見学しました。コンテナターミナルに着いた船からトレーラーにコンテナを載せるガントリークレーンの大きさにびっくり!高さは約80mにもなり、川崎マリエンの約50mよりも高いんです。そして、特別にコンテナの中にも入らせてもらい、貿易港の現場を体感。コンテナに触ったり、ニオイを嗅いだり、子ども達はかながわ海新聞の記者として五感をフル活動して取材活動に励んでいました。そのあとは、東扇島東公園に移動し、人口の砂浜を見学。国際貿易港のすぐそばにある自然環境に驚きつつ、川崎港での取材活動を終えました。
- 山が海を守る!?神奈川県唯一の魚つき保安林「お林」の秘密に迫る!!
二日目は神奈川県の西の端「真鶴町」で取材活動です。今回、かながわ海新聞の特別編集長を務めるNPO法人ディスカバーブルーの水井さんに、真鶴が位置する相模湾の自然、真鶴の自然や地形について学びました。真鶴半島は噴火によってできたこと、目の前に広がる相模湾は実は深海であること、そこに住む生物が定置網にかかり真鶴港に水揚げされるという話に、子ども達は興味津々!
その後は、真鶴町の豊かな海の源でもある、県内唯一の魚つき保安林である「お林」の見学に出発!江戸時代に人の手で作られたお林には、クロマツ、クスノキ、スダジイなどの巨木が点在しており、その大きさに子ども達は大興奮!見学を終えるころには、3種類の木の見分け方をマスターするほど!陸から海へ続く自然観察を通じて、真鶴の海の豊かさは山から恩恵を受けていることを肌で感じたようです。
- プランクトンが真鶴の海にもたらすもの
午後からは、真鶴町出身の遠藤晴雄氏の貝類コレクションを展示している遠藤貝類博物館で、真鶴はもちろん、日本、さらには世界の貝について学んだあと、真鶴の海の生態系を学ぶため「プランクトン」について取材しました。「お林」を通って海に流れるミネラル豊富な地下水にプランクトンが集まることから、それを求めて魚が集まり、豊かな海がつくられるという話に「なるほど~」と納得する子ども達。では、そのプランクトンを実際に見てみよう!ということで、真鶴港で海水を採取したあと、自分でつかまえた「マイプランクトン」を顕微鏡で観察。目の前に広がる個性豊かな数々のプランクトンの姿に、真鶴の海の豊かさを実感したようでした。
そんな真鶴の海のみらいは明るい!と思いきや、真鶴の海にも地球温暖化の影響が及んできているとのこと。真鶴町観光協会の柴山さんに取材したところ、二酸化炭素の影響で海の酸性化が進み、生態系に影響を及ぼし始めているそうです。そんな中、柴山さんが数年前から挑戦しているのが、真鶴の新名物として出荷が始まった岩ガキ「鶴宝」、そして今は海ぶどうの養殖にも取り組んでいます。海ぶどうを知らない子ども達も多く、特別に試食させてもらった子どもは「味はしないけど食感がいい」と満足気。子ども達の目にも真鶴の海のみらいは明るく感じたようです。
- 大興奮!!真鶴の三ツ石海岸で磯の生物観察
最終日の三日目は、子ども達が一番楽しみにしていた三ツ石海岸での磯の生物観察。干潮時の岩場で、普段は海底に住んでいる生物を探しました。カニ、エビ、ナマコ、サザエ、ヤドカリなど多様な生き物に触れることができ、子ども達も大興奮の様子でした。
その後は三日間学んできたことを各班に分かれてディスカッション。自分が取材を通じて感じたこと、学んだことを、自分の言葉で発表し、理解を深めていきました。そして今回のイベントの最後を飾るのが、かながわ海新聞の制作です。これまで取りまとめた取材メモを基に、神奈川新聞社の皆さんの指導を仰ぎながら、各人が与えられたテーマで記事を作っていきました。子ども達が作ったかながわ海新聞は9月中旬に発行予定で、神奈川県内各所で配布予定です。
- 参加した子ども・保護者からの声
参加した子ども達からは「川崎と真鶴の海はちがう所があるけれど、どっちも貿易や自然という所で神奈川を支えていると思いました」「海の問題は本当に身近にあると感じました」「海には見えないような小さな生物もすんでいておどろきました」「ナマコをいっぱいつかまえることができて楽しかった」などたくさんの感想が出ていました。
保護者からは「帰宅後、興奮冷めやらぬ様子で、どんな経験をしてきたのか、色々話をしてくれました。
特に、三ツ石海岸で色々な水の生物を探すことができたのが楽しかったらしく『トコブシやカイメンもいたんだよー!』と誇らしげに話していました。」「とても楽しかったようで、たくさんお話をしてくれました。せっかくの貴重な経験なので宿題の自由研究としてまとめたいと思っています。」という声などが挙がっていました。
<団体概要>
団体名称:海と日本プロジェクトinかながわ実行委員会
URL :https://kanagawa.uminohi.jp/
活動内容 :応援動画の制作・放送やホームページの制作
神奈川県独自の特徴を活かしたイベントの開催 など
日本財団「海と日本プロジェクト」
さまざまなかたちで日本人の暮らしを支え、時に心の安らぎやワクワク、ひらめきを与えてくれる海。そんな海で進行している環境の悪化などの現状を、子どもたちをはじめ全国の人が「自分ごと」としてとらえ、海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げていくため、オールジャパンで推進するプロジェクトです。
https://uminohi.jp/